中華カーボン。
なんか中国の怪しい業者がフルカーボンリムを激安で売っているらしいですよ?
というわけで調べたら出てきたのがこちら。
http://www.aliexpress.com/product-fm/400730538-Clincher-Rims-Full-carbon-road-bike-wheel-rims-38mm-wholesalers.html
カステさんのブログでリムハイトは35〜40mmくらいがいいんじゃねーのみたいな話を見かけていたのでそのへんで探したらなんと38mmというちょうど中間のが。
310ドル…まあ3万弱ですか。高いね。つってもアルミリムと比べての話なんでフルカーボンにしちゃ激安です。
必要性は感じないけどネタで組むか…
とか思いましたが、穴の数みたら前20H、後24H。なにこれ変態。
こりゃ適合するハブ探すだけでも一苦労やで…
かと思いきや、同じ出品者が出してました!しかも興味あったノバテック。
http://www.aliexpress.com/product-fm/377034953-white-Brand-New-Road-Bike-NOVATEC-Hubs-Center-Lock-wholesalers.html
しかも白い!クイックが赤なのがちょっと…いやこれくらいは逆にアクセントってことで。
でもなんかフランジのデザインが変わってるなー。
しかし組むのか?自分。
うーん…
ポチッ。
で、
届きました。
2月13日にポチって2月19日の夜に。
思ったより速くてビビりました。
とりあえずリムを眺めてみる…
注意書き:
1.カーボンリム用ブレーキパッド使え
2.タイヤの最大推奨空気圧はロード130psi、MTB65psi
3.最大推奨スポークテンション 180Kgf (丈夫ですね)
4.ブレーキ当たり面が磨耗したらリムとっかえろ
5.上記の事項に従わない場合は保証が無効になります(つってもメーカー不詳なんだけど)
安物の割にはきれいなもんです。
叩いてみると20Hより24Hの方が音が低い。だから何って感じですが。
片方は振ってみたらカラカラ音がしたのでよくみたらゴミが入ってました。ピンセットで除去。
あとリムフラップ張る面に粉が付いてたので拭いておく。
型番らしきラベルが内側に貼ってあって、WH-R38-Cとあります。ググってもあまり情報がないw
ハブもリムもMADE IN TAIWANみたいです。
中国製っていうと不安だけど台湾製っていわれるとなんかすごい良い物のような気がしてくるから不思議w
とりあえず、スポーク長計算するために調査に入りましょうか。
まずリム。
これは何の変哲もないリムでした。
スポーク穴の数も間隔もごく普通〜〜の20Hと24Hでした。
ブレーキ当たり面の加工がなんか若干内側に寄ってる気がするけど、まあ大丈夫でしょう。
リムはそんなもん。
で、問題はハブ。
サイトの写真では型番が見えなかったのですが、
前:A271SB
後:F371SB
でした。
なんか前ハブの片方だけキャップが浮いてるような…
右の赤キャップ浮いてる
キャップは2mmアーレンキーで外れるのではずしてみた。
おお、NSKのベアリングじゃん!と思ったらNBKでした。なにこれ。
こっちがわのベアリングがハブボディからちょっとだけ浮いてる。
叩けば入るかもしれないけど、ちょうどいい治具がないのでとりあえずこのままにしときます。
で、気になってたフランジのデザイン…。
2個穴がついているフランジが5枚生えてます。
反対側にも5枚あるので2×5×2で20H。
リアは同じように2穴6枚で24Hになってます。
で、穴の、配置が、何なんだ、これは。という話ですよ。
普通のハブは全ての穴が同じ角度間隔であけられてますが、これはどう見ても不均等。
左右のフランジのずれも、なんか均等じゃない。
うーむむむ。
とりあえずフランジに並んでいる2個の穴の間隔を測ってみたら、内-内が3.55mm、外-外が8.55mmで間を取って6.05mmでした。
さらにNOVATECのサイトで仕様を見るとPCDが38mmということになってます。ということはハブ軸からフランジ穴までの距離は半分の19mmのはず。
※後々出した寸法を元に作図してるのでフランジ穴の間隔が実測と違うのは許してね
これで、ハブ軸に対する二つのフランジ穴の角度が計算で出せます。sinθ=3.025/19なのでasin(0.16)=9.2で、その2倍なので18.4度。
18.4度…なんか半端…。
次に左右フランジのずれ。
普通のハブは穴の間隔半分ぶんだけ左右がずれてますが、こいつはなんだか…
この写真で言う手前フランジの左の穴と、奥フランジの右の穴が同じ角度に付いている気がする。
気がする…。
同じ角度に付いている気がする穴に棒を通してみたら、ハブボディと平行にしか見えない。
やはり同じ角度に付いているってことでいいかと。いいだろ。もう。同じってことで。
で、そういうことにして図面を引き始めたら、さっき計算で出した18.4度がずいぶんとなんというかリム穴の補助線との馴染みが良い。
ていうか改めて計算したら360÷20=18度だった。
なんてことだ。
じゃあ正確なところはわからんが、たぶん18度に設計してるだろう、というわけで18度を想定して図面を引きなおす。
基点の0度をバルブ穴として、ここにハブの左右フランジの穴が合わさるところを持ってくる。
右フランジからのスポークはバルブの隣に。
左フランジからのスポークはその反対の穴に。
右と左って言ってるけど、ハブを横から見ると同じ場所なので、図面で見ると1箇所からスポークが2本出ているようになります。
あとはハブ側とリム側で矛盾が出ないようにラジアル状にスポークを引っ張るだけ。
で、
前側の図できた!
ほとんどラジアルにしか見えない。
のでハブ付近拡大。
奥フランジと手前フランジが重なっている所からは二次元の図面では2本スポークが出ているように見える感じ。(赤線と青線)
スポーク長が2種類必要になるかと思ったけど、すぐ隣の補助線が伸びた先のリム穴に収まるという点ではみんな同じだったのでスポーク長も同じでした。
今回はスポーク長計算機を使わず、この図面で実測したスポーク長に三平方の定理を適用して実際のスポーク長にしたものを使ってみる予定。
前ができたので後ろもやっちゃいましょう。
後ろはフランジが2穴×6になっているだけでほかは大体同じ。
リム穴は24Hなので、リム穴の角度は360÷24=15度、フランジ穴2個の角度も同じく15度ってことにしました。たぶんあってる。
フリー側は2クロス(4本取り)にして反フリー側はラジアルにする予定なので、反フリー側はただ線ひくだけ。
フリー側は、まあ若干やりにくい感はありましたが、ラジアルにした場合を考えてそこからクロスさせていく感じで。
フランジの2個の穴のどっち側を引っ張り側のスポークにするかでスポーク長が違ってくるんですが(6ミリも違う)、スポークが短くなるほうにしました。
というわけで
リア側設計図。
ハブ付近拡大。
というわけでスポーク発注しました!!
届くのが楽しみ〜
※ 2012/3/24追記
後になって考えてみると、フランジ穴の角度が9度ずれたくらいでスポークの長さがどんだけ変わるかというと…。1ミリ以下なんじゃないの?という気も。
普通の20H/24Hハブと同じ要領で計算しても誤差程度の違いしか無いかもしれないです。